후리가나로 읽는 일본 고전
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
国枝 史郎의 銅銭会事変 短編(どうせんかいじへん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 106,745자 · 216화면
――これが懐しいとでも云うのだろうよ」
「おい勾坂の」と声を忍ばせ、一膝進み出た甚右衛門は、グイと顔を突き出したが、「この顔見覚えがあろうがの?」
「え?」と甚内は眼を見張る。と、彼は愕然とした。「……うむ、そういえば頬の上に古い一筋の太刀傷がある! ……お、あの時の船頭だ」
「それでもどうやら気が付いたらしい。いかにもあの時の船頭だ。……お前あの時罪もねえ可哀そうな老人を締め殺したっけのう」
「殺すつもりはなかったが時のはずみで力がはいり殺生なことをしてしまった」
「その老人の一人娘がお前の馴染のあのお米よ」
「それとも知らぬお米の口からたった今聞いて驚いたところさ」
「枕交わすが商売とは云え、親の敵と馴染むとは……」
「知らぬが因果の畜生道さ」
「お米にとっては尽きぬ怨み……」
「俺にとっては勿怪の幸い」
「おい、勾坂の、どうするつもりだ?」
「お米が俺を討つ気なら宣って殺されてやるつもりよ。が、討つ気はよもあるめえ。二世さえ契った仲だからの。二世を契れば未来も夫婦! 俺を殺せば良人殺しだ!」
「あっ!」
と魂消る女の声が隣りの部屋から聞こえて来た。
二人一緒に立ち上がり颯と開けた襖の彼方に伏し転んでいるのはお米であった。