후리가나로 읽는 일본 고전
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
野村 胡堂의 銭形平次捕物控(ぜにがたへいじとりものひかえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 157,440자 · 313화면
「なるほど、そんなことがあったようだ。が――」
大橋要人はまだ頭を捻っております。人をそんなに自由に眠らせる薬などというものの存在を信じ兼ねたのです。
「何は兎も角、その酒を飲まなかったお庭掃きの老人に逢いましょう」
と、平次。
「では案内いたそう」
大橋要人は、平次と八五郎を、屋敷の隅に置き忘れたように建っている、下男部屋に案内しました。
蔵屋敷も六十一万九千石、御三家随一の尾張様の息が掛ってまことに宏大ですが、ここにはさすがに上屋敷と違って、見識張った人間ばかりいるわけでなく、庭掃きの老爺与吉といったようなのが、一生飼い殺しに庭の隅の小屋を住家にしているのでした。
「ここだ、――おい与吉はいるか」
大橋要人はガタピシさせながら戸を開けました。真夏の暑さに閉めきっているのが変だと思ったのも道理。
「あッ」
のぞいた小屋の中にはいったい何があったのでしょう。
平次は大橋要人をかき退けるように、下男部屋の中をのぞきました。
「あッ」
ひと目、さすがの平次が驚いたのも無理はありません。たった一人の生証人庭掃きの親爺の与吉は、虚空を掴んで死んでいるのです。
六十を越した老人の、半白の髪は乱れて、唇の隅から引いた血潮の糸は、間違いもなく毒害の証拠ですが、そこには老人の食べたらしいものは、何んにも見当りません。