후리가나로 읽는 일본 고전
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ながさきのいんしょう
長崎の印象
宮本 百合子
宮本 百合子의 長崎の印象(ながさきのいんしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,996자 · 28화면
ここは予測の通り余り気に入らず、豊後の臼杵へ廻った。臼杵から先、中津の自性寺を見、福岡の友でも訪ねるか、いずれにせよ、軽少の財嚢に準じて謙遜な望みしか抱いていなかった。臼杵の、日向灘を展望する奇麗な公園からK氏の別荘へぶらぶら帰る時であった。Y、「どうする? やはり中津へ廻る?」「――ふうむ……」二人ながら進まない気持がある。天然痘がひどいのが一つ、小杉未醒氏の「大雅堂」によって、幾分自性寺の所蔵品に対する考えの変ったのが第二。「先刻地図を見たら、南を廻って長崎まで行くのも、小倉の方から行くのも大して違わないらしい。――折角来たんだから、どう? 一廻りしちゃおうじゃあないか」それこそ素敵だ! Yは、卓越したパイ焼職人のように、上手に地図と時間表とを麺棒に使い、貧弱な旅費の捏粉を巧に長崎まで延して来たのであった。
宿を出、両側、歩道の幅だけ長方形の石でたたんだ往来を、本興善町へ抜け、或る角を右にとる。町家は、表に細かい格子をはめた大阪風だ。川がある。柳の葉かげ、水際まで石段のついた支那風石橋がかかっている。橋上に立つと、薄い夕靄に柔められた光線の中に、両岸の緑と、次から次へ遠望される石橋の異国的な景色は、なかなか美しかった。