후리가나로 읽는 일본 고전
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かいかのおっと
開化の良人
芥川 竜之介의 開化の良人(かいかのおっと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,438자 · 32화면
子爵はやはり微笑を浮べながら、私の言を聞いていたが、静にその硝子戸棚の前を去って、隣のそれに並べてある大蘇芳年の浮世絵の方へ、ゆっくりした歩調で歩みよると、
「じゃこの芳年をごらんなさい。洋服を着た菊五郎と銀杏返しの半四郎とが、火入りの月の下で愁嘆場を出している所です。これを見ると一層あの時代が、――あの江戸とも東京ともつかない、夜と昼とを一つにしたような時代が、ありありと眼の前に浮んで来るようじゃありませんか。」
私は本多子爵が、今でこそ交際嫌いで通っているが、その頃は洋行帰りの才子として、官界のみならず民間にも、しばしば声名を謳われたと云う噂の端も聞いていた。だから今、この人気の少い陳列室で、硝子戸棚の中にある当時の版画に囲まれながら、こう云う子爵の言を耳にするのは、元より当然すぎるほど、ふさわしく思われる事であった。が、一方ではまたその当然すぎる事が、多少の反撥を心に与えたので、私は子爵の言が終ると共に、話題を当時から引離して、一般的な浮世絵の発達へ運ぼうと思っていた。しかし本多子爵は更に杖の銀の握りで、芳年の浮世絵を一つ一つさし示しながら、相不変低い声で、