후리가나로 읽는 일본 고전
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かいかのおっと
開化の良人
芥川 竜之介의 開化の良人(かいかのおっと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,438자 · 32화면
』三浦がこう語り終った時、丁度向う河岸の並倉の上には、もの凄いように赤い十六夜の月が、始めて大きく上り始めました。私はさっきあの芳年の浮世絵を見て、洋服を着た菊五郎から三浦の事を思い出したのは、殊にその赤い月が、あの芝居の火入りの月に似ていたからの事だったのです。あの色の白い、細面の、長い髪をまん中から割った三浦は、こう云う月の出を眺めながら、急に長い息を吐くと、さびしい微笑を帯びた声で、『君は昔、神風連が命を賭して争ったのも子供の夢だとけなした事がある。じゃ君の眼から見れば、僕の結婚生活なども――』私『そうだ。やはり子供の夢だったかも知れない。が、今日我々の目標にしている開化も、百年の後になって見たら、やはり同じ子供の夢だろうじゃないか。……』」
丁度本多子爵がここまで語り続けた時、我々はいつか側へ来た守衛の口から、閉館の時刻がすでに迫っていると云う事を伝えられた。子爵と私とは徐に立上って、もう一度周囲の浮世絵と銅版画とを見渡してから、そっとこのうす暗い陳列室の外へ出た。まるで我々自身も、あの硝子戸棚から浮び出た過去の幽霊か何かのように。
(大正八年一月)