일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

いんじゅう

陰獣

江戸川 乱歩

江戸川 乱歩의 陰獣(いんじゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 66,968자 · 131화면

아오조라 문고

それは昨年の秋、十月なかばのことであった。私は古い仏像が見たくなって、上野の帝室博物館の、薄暗くガランとした部屋部屋を、足音を忍ばせて歩き廻っていた。部屋が広くて人気がないので、一寸した物音が怖い様な反響を起すので、足音ばかりではなく、咳ばらいさえ憚かられる様な気持だった。博物館というものが、どうしてこうも不人気であるかと疑われる程そこには人の影がなかった。陳列棚の大きなガラスが冷く光り、リノリウムには小さなほこりさえ落ちていなかった。お寺のお堂みたいに天井の高い建物は、まるで水の底にでも在る様に、森閑と静まり返っていた。

丁度私が、ある部屋の陳列棚の前に立って、古めかしい木彫の菩薩像の、夢の様なエロティクに見入っていた時、うしろに、忍ばせた足音と、幽かな絹ずれの音がして、誰かが私の方へ近づいて来るのが感じられた。私は何かしらゾッとして、前のガラスに映る人の姿を見た。そこには、今の菩薩像と影を重ねて、黄八丈の様な柄の袷を着た、品のいい丸髷姿の女が立っていた。女はやがて私の横に肩を並べて立止り、私の見ていた同じ仏像にじっと眼を注ぐのであった。

私は、あさましいことだけれど、仏像を見ている様な顔をして、時々チラチラと女の方へ眼をやらないではいられなかった。