일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

いんえいらいさん

陰翳礼讃

谷崎 潤一郎

谷崎 潤一郎의 陰翳礼讃(いんえいらいさん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 31,020자 · 61화면

아오조라 문고

何でもそれは、後に火事で焼け失せた「松の間」とか云う廣い座敷であったが、僅かな燭台の灯で照らされた廣間の暗さは、小座敷の暗さと濃さが違う。ちょうど私がその部屋へ這入って行った時、眉を落して鉄漿を附けている年増の仲居が、大きな衝立の前に燭台を据えて畏まっていたが、畳二畳ばかりの明るい世界を限っているその衝立の後方には、天井から落ちかゝりそうな、高い、濃い、たゞ一と色の闇が垂れていて、覚束ない蝋燭の灯がその厚みを穿つことが出来ずに、黒い壁に行き当ったように撥ね返されているのであった。諸君はこう云う「灯に照らされた闇」の色を見たことがあるか。それは夜道の闇などとは何処か違った物質であって、たとえば一と粒一と粒が虹色のかゞやきを持った、細かい灰に似た微粒子が充満しているもののように見えた。私はそれが眼の中へ這入り込みはしないかと思って、覚えず眼瞼をしばだゝいた。今日では一般に座敷の面積を狭くすることが流行り、十畳八畳六畳と云うような小間を建てるので、仮に蝋燭を点じてもかゝる闇の色は見られないが、昔の御殿や妓楼などでは、天井を高く、廊下を廣く取り、何十畳敷きと云う大きな部屋を仕切るのが普通であったとすると、その屋内にはいつもこう云う闇が狭霧の如く立ち罩めていたのであろう。