후리가나로 읽는 일본 고전
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ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記
吉川 英治
吉川 英治의 随筆 私本太平記(ずいひつ しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 56,947자 · 114화면
尊氏旗上げの地、篠村八幡では、尊氏直筆の“願文”を見た。尊氏の筆蹟は、例の石清水の仮名がきの願文でも、このようなかたい楷書の物でもみな武将に似あわずどこか優しいところがある。これは公卿出の母の清子の感化かとも思われた。
篠村は近ごろ亀岡市に合併されたので、その記念出版として「篠村史」がつい昨今できあがったばかりである。そのお初穂の一本を編纂者の大村義雄氏から帰りがけにいただいた。――大昔には大江山と鬼の昔話を持ち、中世には尊氏がここで旗を上げ、近世では明智光秀が老ノ坂から本能寺へさして駆けた。――そして今日は、藪梅の花と、幼稚園と、人なき村社が、昼をひッそり晴れ澄んでいるだけだった。――が歴史的には、ここの地形と京都の人煙との間には、いつも一ト重の山霞を引いて、世に不満な人間どもが反骨を養うには恰好な地の利であった所にはちがいない。
案のじょう、悪路のために、二時間ぢかくも途中で遅れ、やっと目的地の梅迫に着いた。やれやれといった顔つきで、みんな降りる。
安国寺は国道からすぐ西がわの山腹だった。車をすててそこへ歩く。すると麓の人家から驚くほど人が出てきた。