일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

ゆきのよる

雪の夜

織田 作之助

織田 作之助의 雪の夜(ゆきのよる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,221자 · 23화면

아오조라 문고

松本に似た男を見ると、あわただしく首をふった。けれども松本のことは照枝にきかず、照枝も言わず、照枝がほころびた真綿の飛び出た尻当てを腰にぶら下げているのを見て、坂田は松本のことなど忘れねばならぬと思った。照枝の病気は容易に癒らなかった。坂田は毎夜傍に寝て、ふと松本のことでカッとのぼせて来る頭を冷たい枕で冷やしていた。照枝は別府へ行って死にたいと口癖だった……。

そうして一年経ち、別府へ流れて来たのである。いま想い出してもぞっとする。着いた時、十円の金もなかったのだ。早く横になれるところをと焦っても、旅館はおろか貸間を探すにも先ず安いところをという、そんな情ない境遇を悲しんでごたごたした裏通りを野良猫のように身を縮めて、身を寄せて、さまよい続けていたのだった。

やはり冬の、寒い夜だったと、坂田は想い出して鼻をすすった。いきなりあたりが明るくなり、ブラジルの前まで来た。入口の門燈の灯りで、水洟が光った。

「ここでんねん」

松本の横顔に声を掛けて、坂田は今晩はと、扉を押した。そして、

「えらい済んまへんが、珈琲六人前淹れたっとくなはれ」

ぞろぞろと随いてはいって来た女たちに何を飲むかともきかず、さっさと註文して、籐椅子に収まりかえってしまった。