후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆきのよのはなし
雪の夜の話
太宰 治의 雪の夜の話(ゆきのよのはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,451자 · 9화면
或る日、私は義憤を感じて、
「兄さん、たまにはリュックサックをしょって、野菜でも買って来て下さいな。よその旦那さまは、たいていそうしているらしいわよ。」
と言ったら、ぶっとふくれて、
「馬鹿野郎! おれはそんな下品な男じゃない。いいかい、きみ子(お嫂さんの名前)もよく覚えて置け。おれたち一家が餓え死にしかけても、おれはあんな、あさましい買い出しなんかに出掛けやしないのだから、そのつもりでいてくれ。それはおれの最後の誇りなんだ。」
なるほど御覚悟は御立派ですが、でも兄さんの場合、お国のためを思って買い出し部隊を憎んで居られるのか、ご自分の不精から買い出しをいやがって居られるのか、ちょっとわからないところがございます。私の父も母も東京の人間ですが、父は東北の山形のお役所に長くつとめていて、兄さんも私も山形で生れ、お父さんは山形でなくなられ、兄さんが二十くらい、私がまだほんの子供でお母さんにおんぶされて、親子三人、また東京へ帰って来て、先年お母さんもなくなって、いまでは兄さんとお嫂さんと私と三人の家庭で、故郷というものもないのですから、他の御家庭のように、たべものを田舎から送っていただくわけにも行かず、また兄さんはお変人で、よそとのお附合いもまるで無いので、思いがけなくめずらしいものが「手にはいる」