후리가나로 읽는 일본 고전
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れいこんだいじゅうごうのひみつ
霊魂第十号の秘密
海野 十三
海野 十三의 霊魂第十号の秘密(れいこんだいじゅうごうのひみつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 43,100자 · 86화면
その夜、するどくとがった新月が、西空にかかっていた。
ここはバリ港から奥地へ十マイルほどいったセラネ山頂にあるアクチニオ宮殿の廃墟であった。そこには山を切り開いて盆地が作られ、そこに巨大なる大理石材を使って建てた大宮殿があったが、今から二千年ほど前に戦火に焼かれ、砕かれ、そのあとに永い星霜が流れ、自然の力によってすさまじい風化作用が加わり、現在は昼間でもこの廃墟に立てば身ぶるいが出るという荒れかたであった。
しかも今宵は新月がのぼった夜のこととて、崩れた土台やむなしく空を支えている一本の太い柱や首も手もない神像が、冷たく日光を反射しながら、聞えぬ声をふりしぼって泣いているように見えた。
一ぴきの狼が突如として正面に現われ、うしろを振返ったと思うと、さっと城壁のかげにとびこみ、姿を消した。いや、狼ではなく、飢えたる野良犬であったかも知れない。その犬とも狼ともつかないものが振返った方角から、ぼろを頭の上からかぶった男がひとり、散乱した円柱や瓦礫の間を縫って、杖をたよりにとぼとぼと近づいてきた。
彼は、たえず小さい声で、ぼそぼそと呟いていた。
「……しっかり、ついてくるんだよ、わしを見失っては、だめだよ。