후리가나로 읽는 일본 고전
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しもばしら
霜柱
山本 周五郎
山本 周五郎의 霜柱(しもばしら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 14,328자 · 29화면
「じゃあ肝心なことだけは云おう」喜兵衛はみれんがましい口ぶりで云った、「熊平の話から持ってゆきたかったんだが、――まあいい、問題はあの老人だ」
「繁野さんのことだろうな」
「むろんあのじじいだ」
「口を慎め」
「話が先だ」と喜兵衛が云った、「おれはこの土地へ来てもう九十余日になる、まだ九十余日しかならないともいえるが、この九十余日という日数を覚えておいてくれ」
おれは国許で廃家になった次永の家名を継ぐためにこっちへ来た、と彼は続けた。次永の家を再興し、中老和泉作左衛門の娘すみを娶る約束で、郡代支配という役についた。和泉家の娘ともたびたび会い、大いに気にいっている。温和しそうだし縹緻もいいし、妻にするにはもってこいの娘だと思う。住居も悪くない。繁野のじじいが自分の控え屋敷をあけてくれたのだそうだが、庭もかなり広いし家の間取も気がきいている。家僕の仁兵衛夫妻もいい人間で、女房の拵える食事も尋常だ。役所のほうもまず文句はない、下役はよく働いてくれるし、郡代たちにも反感を示したり、不服従なまねをするような者はいない。とにかく、いままではそういう者はいなかった。これを要するに、大体としておちつけるような条件がそろっているし、おれもおちつきたいと思っていた。