후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
かぜ
風
壺井 栄
壺井 栄의 風(かぜ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 38,702자 · 78화면
着物と羽織と時計とで、こんなたくさん買物ができるなんて。」
「…………」
「わたし、さっき、ちょっとつらかったけれど、もう後悔していませんわ。」
買物はまだすまなかった。味噌醤油砂糖を買い、さて食事の支度となると、炭がなかった。炭を買うと金はもう残り少なくなる。この寒空に火鉢もなくてはならない。
「炭は、二十銭でも売ってくれるよ。これでまだふとんのこともあるし。」
茂緒は修造にいわれて、あっと思った。米屋でも五升買うというのを、修造は一升にさせたのだった。米の一升買いは茂緒の少女時代にいくどか経験があったが、炭の二十銭買いは貧乏そだちの茂緒もまだ知らなかった。一升の米を買いにゆくことを恥じて、母はそれを夜の暗さの中でしかさせなかった。しかも利口者といわれる母が、自分ではそれができず、一升買いのときはいつも子供を使いに出していた。その娘の茂緒と、村では五本の指の中にかぞえられる裕福な中農の家庭の息子の修造とが、一組の夫婦になって出発しようとしている今、裕福な家の息子は平気で質屋の門をくぐり炭の二十銭買いを知っている。東京とは、そんな便利なところかと、茂緒はあらためて東京を見なおし、希望をもつのだった。