후리가나로 읽는 일본 고전
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かぜのたより
風の便り
太宰 治의 風の便り(かぜのたより)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,044자 · 66화면
加納さんは、私と同郷の、千葉の人なのです。頓首。
六月三十日木戸一郎
井原退蔵様
拝復。
君の手紙は下劣でした。お答えするのも、ばからしい位です。けれども、もう一度だけ御返事を差し上げます。君の作品を、忘れる事が出来ないからです。
自分は、君の手紙を嘘だらけだと言いました。それに対して君は、嘘なんか書かない、どこがどんなに嘘なのかと、たいへん意気込んで抗議していたようですが、それでは教えます。自分は、君の無意識な独り合点の強さに呆れました。作品の中の君は単純な感傷家で、しかもその感傷が、たいへん素朴なので、自分は、数千年前のダビデの唄をいま直接に聞いているような驚きをさえ感じました。自分は君の作品を読んで久し振りに張り合いを感じたのです。自分には、すぐれた作品に接するという事以外には、一つも楽しみが無いのです。自分にとって、仕事が全部です。仕事の成果だけが、全部です。作家の、人間としての魅力など、自分は少しもあてにして居りません。ろくな仕事もしていない癖に、その生活に於いて孤高を装い、卑屈に拗ねて安易に絶望と虚無を口にして、ひたすら魅力ある風格を衒い、ひとを笑わせ自分もでれでれ甘えて恐悦がっているような詩人を、自分は、底知れぬほど軽蔑しています。