후리가나로 읽는 일본 고전
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かぜのたより
風の便り
太宰 治의 風の便り(かぜのたより)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,044자 · 66화면
仕合せな事です。日本は、芸術の国なのかも知れぬ。
すべては、これからです。自分も、死ぬまで小説を書いて行きます。その時のジャアナリズムが、政府の方針を顧慮し過ぎて、自分の小説の発表を拒否する事が、もし万一あったとしても、自分は黙って書いて行きます。発表せずとも、書き残して置くつもりです。自分は明白に十九世紀の人間です。二十世紀の新しい芸術運動に参加する資格がありません。けれども、一粒の種子は、確実に残して置きたい。こんな男もいたという事を、はっきり書いて残して置きたい。
君は、だらしが無い。旅行をなさるそうですが、それもよかろう。君に今、一ばん欠けているものは、学問でもなければお金でもない。勇気です。君は、自身の善良性に行きづまっているのです。だらしの無い話だ。作家は例外なく、小さい悪魔を一匹ずつ持っているものです。いまさら善人づらをしようたって追いつかぬ。
この手紙が、君への最後の手紙にならないように祈っている。敬具。
七月三日井原退蔵
木戸一郎様
拝啓。
のがれて都を出ました。この言葉をご存じですか。ご存じだったら、噴き出した筈です。