후리가나로 읽는 일본 고전
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しょくま
食魔
岡本 かの子
岡本 かの子의 食魔(しょくま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,911자 · 74화면
土橋を渡って、西仲通りに歩るきかかるとちらほら町には灯が入って来た。鼈四郎はそこから中橋広小路の自宅までの僅な道程を不自然な曲り方をして歩るいた。表通りへ出てみたりまた横町へ折れ戻り、そして露路の中へ切れ込んだりした。彼が覗き込む要所要所には必ず大小の食もの屋の店先があった。彼はそれ等の店先を通りかかりながら、店々が今宵、どんな品を特品に用意して客を牽き付けようとしているかを、じろりと見検めるのだった。
ある店では、紋のついた油障子の蔭から、赤い蟹や大粒の蛤を表に見せていた。ある店では、ショウウィンドーの中に、焼串に鴫を刺して赤蕪や和蘭芹と一しょに皿に並べてあった。
「どこも、ここも、相変らず月並なものばかり仕込んでやがる。智慧のない奴等ばかりだ」
鼈四郎は、こう呟くと、歯痒いような、また得意の色があった。そしてもし自分ならば、――と胸で、季節の食品月令から意表で恰好の品々を物色してみるのだった。
彼の姿を見かけると、食もの屋の家の中から声がかけられるのであった。
「やあ、先生寄ってらっしゃい」
けれども、その挨拶振りは義理か、通り一遍のものだった。