후리가나로 읽는 일본 고전
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しょくま
食魔
岡本 かの子
岡本 かの子의 食魔(しょくま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,911자 · 74화면
それは回教徒の祈祷の姿に擬しつつ実は、聞えて来る活動館の安価な楽隊の音に合わせているのだった。
鼈四郎が、なお愕いたことは、病友は、そうしながら向う側の壁に姿見鏡を立てかけさせ、自分の悲惨な踊りを、自ら映しみて効果を味っていることだった。映像を引立たせる背景のため、鏡の縁の中に自分の姿と共に映し入るよう、青い壁絨と壺に夏花までベッドの傍に用意してあるのだった。鼈四郎に何か常識的な怒りが燃えた。「病人に何だって、こんなばかなことをさしとくのだ」鼈四郎はモデルの娘に当った。モデル娘は「だって、こちらが仰しゃるんですもの」と不服そうにいった。病友はつまらぬ咎め立をするなと窘める眼付をした。
三度に一度の願いが叶って医者に注射をして貰ったときには病友は上機嫌で、へらりへらり笑った。食慾を催して鼈四郎に何を作れかにを作れと命じた。
葱とチーズを壺焼にしたスープ・ア・ロニオンとか、牛舌のハヤシライスだとか、莢隠元のベリグレット・ソースのサラダとか、彼がふだん好んだものを註文したので鼈四郎は慥え易かった。しかし家鴨の血を絞ってその血で家鴨の肉を煮る料理とか、大鰻をぶつ切りにして酢入りのゼリーで寄る料理とかは鼈四郎は始めてで、ベッドの上から病友に差図されながらもなかなか加減は難しかった。