후리가나로 읽는 일본 고전
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こうでん
香奠
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 香奠(こうでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,989자 · 46화면
云わば食堂から寝室へ行くまでの間に、明るく灯のともってる賑かな廊下を一廻りしてくるのです。或る外国人が、東京の町はヨーロッパの都会に比べるとまるで大きな村落だと云いましたが、それは山の手方面に比較的人家が建て込んでいないからです。けれども下町方面は、そして山の手方面でも、田舎に比べるとやはり都会です。
そういう風ですから、自分の家だけを家敷と思って、そこに安楽に住もうなどということは、とても出来ないのです。食堂と寝室とだけで安楽な筈はありません。賑やかな街路を自分の廊下と思い、木立深い公園を自分の庭だと思わなければ……はっきり思わないまでもそういう暮し方をしなければ、家の中だけではとても息苦しくてやりきれるものではありません。或る一つの家に住むというのではなくて、東京という家敷に住むのです。
そしてこの一つの家敷には、互に見も知らぬ無数の人間が、何とうようよ巣くってることでしょう。
母上
私はそういう考えを思い浮べて、平田伍三郎に説き聞かしてやりました。すると彼は、分ったのか分らないのか、一言の抗弁も質問もしないで、注意深く耳を傾けていました。
「だから、君がいくら窓の外に植木を並べたって、生活の気持が変らない以上は、とてもうまくゆくものじゃないよ。