후리가나로 읽는 일본 고전
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ばきんのしょうせつとそのとうじのじっしゃかい
馬琴の小説とその当時の実社会
幸田 露伴
幸田 露伴의 馬琴の小説とその当時の実社会(ばきんのしょうせつとそのとうじのじっしゃかい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,640자 · 15화면
これらの点をなお多く精密に数えて、そして綜合して一考しまする時は、なるほど馬琴の書いたようなヒーローやヒロインは当時の実社会には居らぬに違い無いが、しかし馬琴の書いたヒーローやヒロインは当時の実社会の人々の胸中に存在して居たもので、決して無茶苦茶に馬琴が捏造したものでもよそから借りて来たものでも無いという事は分明であります。そして馬琴の小説はその点でも、当時の実社会と相離れ得ぬ強い関係交渉を持って居ると申す事が出来ると存じます。
翻って第三の平凡人物即ち「端役の人物」を観ますと、ここに面白い現象が認められます。例を申しましょうなら、端役の人物の事ゆえ『八犬伝』を御覧の方でも御忘れでしょうが、小文吾が牛の闘を見に行きました時の伴をしました磯九郎という男だの、角太郎が妻の雛衣の投身せんとしたのを助けたる氷六だの、棄児をした現八の父の糠助だの、浜路の縁談を取持った軍木五倍二だの、押かけ聟の簸上宮六だの、浜路の父蟇六だの母の亀篠だの、数え立てますれば『八犬伝』一部中にもどの位居るか知れませぬが、これらの人物は他の人物と共にやはり例の過去というレースのかなたに居る人物であるにかかわらず、即ち馬琴の生存して居る当時の実社会とは遥かに隔たって居る時代の人物であるにかかわらず、その実はその当時の実社会の人物なのであります