후리가나로 읽는 일본 고전
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まぞう
魔像
林 不忘
林 不忘의 魔像(まぞう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 131,494자 · 260화면
ていたのだった。何を言ったか、自分ではよく覚えていない。その中でただ一つ、いまだに自分の耳でがんがん鳴りつづけている自分の声がある――この人は、あたしのいい人でございますよ!
ああ、なぜ、あんなはしたないことを言ってしまったのであろう。
真剣の時は、思わずほんとの心が出るものだ――とすれば――こう考えて来た時、お妙は、自分が喬之助に熱恋を捧げているのであることを知って、一時に、耐え切れない恥かしさが燃え上って来て、顔が、火のようになっているのに気がついた。
あんなことを口走って、あの方は、何て下素な女であろうと、さぞ蔑んでいられることであろう。こうも思った。
お妙は、喬之助の礼には答えなかった。答えることが出来なかった。わけのわからない泣き声が出そうになるのを押し返すのに、彼女は一生懸命だったのだ。喬之助の顔を見ることも出来なかった。
長いこと、白痴のようにぼんやりと、つめたい板の間にすわったきりだった。
騒ぎにとり紛れて、三人とも、筆屋幸吉が先刻まで裏口に立ち聞きしていたことにも、身をひるがえしておもて通りへ駈け出て行ったことにも、気がつかなかった。