후리가나로 읽는 일본 고전
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まと
魔都
久生 十蘭
久生 十蘭의 魔都(まと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 293,999자 · 578화면
それはとにかく、一体だれが何の目的でこんなところへ王様を隠したのだろう。加十はしきりに首を捻ってあれこれと考えるのだが、どうもその点が腑に落ちない。
日本における新興コンツェルンの双璧、林謹直の林コンツェルンと小口翼の日興コンツェルンが、安南のボーキサイト礪山の採掘権を回って劇しい争奪戦を演じていることも、皇帝と林の間にまた新たな契約が結ばれかかっていることも、かねて加十は知っている。その日興の傘下にある野下山の一味が日比谷で騒いだとすれば、皇帝を誘拐したのはやはり日興の仕業なのだと思う外はない。林の契約を妨害し、林の勢力を削ぐためにやった仕事のようにも考えられるのだが、すると大金剛石の方はどうなる。どうもこの辺のウマが合わぬのである。
また、皇帝を監禁するにしても、なんの必要があってこんな場所を選んだのだろう。典雅なようすをした、愛すべき鶴の噴水台の下へ皇帝を隠すなどというのは、なかなか詩的でもあり、一種瓢逸な趣きもあって、この奇抜な思い付きには同感を感じないでもないが、それにしてもすこし恍け方の度を超え、いささか目的に副わぬようである。噴水の鶴の下などは皇帝監禁の場所として、決して最上のものでないことは、すでに鶴の口を通じて皇帝の唱歌が地上に洩れたことによっても、そうと断定出来るのである。