후리가나로 읽는 일본 고전
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さかなのじょぶん
魚の序文
林 芙美子
林 芙美子의 魚の序文(さかなのじょぶん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,384자 · 21화면
俺達だけじゃないよ、こんな生活は山のようにあるんだから恐れる事はないだろう」
二人は、もう畳の上に坐って話している事が憂鬱になったので、僕は彼女に戸締りを命じて帽子とステッキを持った。彼女は、紅色の鯨帯をくるくると流して自分の腰に結び始めた。壁の小さい柱鏡に疲れた僕の顔と、頬のふくれた彼女の顔が並んだ。僕は沁々とした気持ちで彼女の抜き衿を女学生のように詰めさせてやった。
戸締りをして戸外へ出ると、二人は云いあわしたように胸を拡げて息をしながら、青麦のそろった畑道を歩いた。秋になると、この道は落葉で判らなくなる道であった。いつか、まだ独身者であった時の百合子との散歩を僕はふと考えたものであったが、僕の後からゆっくり歩いて来ている彼女は、紙雛のように両袖を胸に合わせて眼を細めて空を見ているではないか。――
「二人位並んで歩けるよ、さあおいで」
それでも、彼女はまるで隣人同士のように遠慮してしまって、なかなか歩を揃えようとはしなかった。
「いいねえ。ほら雲雀が啼いているよ」
「…………」
「どうしたんだい?」
「私、馬鹿なんでしょうか、風景がちっとも眼に這入らないで、今だに一生懸命で戸締りをしているようなの、私時々体が二ツにも三ツにも別れて勝手な事しているンですよ」