후리가나로 읽는 일본 고전
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
吉川 英治의 鳴門秘帖(三)(なるとひちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 261,216자 · 521화면
なんとかいい思案のつかないうちは、そうしていられない気持であった。
お米の用向きは、自分と仲間との便乗を頼みたいというだけで、阿波の家中から貰ってきた船切手も所持しているとの話に、それなら明日の時刻までに、大川岸の船待小屋まで来あわせて下されば、取計らっておきます、と答えさせた。
それからも、明日の船出について、絶えず細かい用事がお久良の耳へ届いた。まだ一日の間があるのに、もうすぐに迫っているような気忙しなさが、つぎつぎにその部屋へ運ばれてくる。
「あ! お家様」
さっきから黙然と腕をくんでいた新吉は、やがて、不意に膝を打って、
「よい思いつきがございました」
と前へ乗りだしてきた。
「えっ、いい考えがうかんできたかえ」
「これよりほかに策はございませぬ。というのは、その……」とお久良のうしろを指さして、
「京都の梅渓右少将様からお頼まれしてある、その三ツの荷葛籠……」と言いかけて恐ろしさに唾をのんだ。
差された指につれて、お久良の眼もうしろへうごく。
そこには、雪のせ笹の金紋を印した三つの青漆葛籠が山形に積みかさねてある。このつづらは、すなわち京の堂上梅渓家から、徳島城へ送るべく、四国屋に託されたものだった。