후리가나로 읽는 일본 고전
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
吉川 英治의 鳴門秘帖(三)(なるとひちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 261,216자 · 521화면
それも絶えずソヨソヨと吹く風が消してゆくので耳うるさい程ではない。
その乗合の混んでいる蔀の蔭にうしろ向きになっている仲間づれの女が、この間寮へ手形を貰いに来た森啓之助のかこい女だろうと、新吉は遠くから眺めていたが、自分の居場所は、ちょっとも離れられない気がして、別に話しかけにも行かなかった。
かれは、ちょうど胴の間と艫の間にある、松兵衛の部屋の戸口に、三つのつづらを大事そうにすえて、その前に二、三枚の苫を重ね、よしや船が沈もうともこの側は動くまい、というふうに腰を下ろしていた。
だが夜更けてくる頃には外海の飛沫もかかってくるから、乗合が木枕をつけて寝入った頃に、この場所も松兵衛がどこかへ移してくれる筈。そしたら、こっそり船底かどこかで、ふたの隙から、弦之丞とお綱に、阿波へ着いた時の手筈をささやいておこう……などと胸のうちで目算をたてている。
松兵衛は今、水夫に櫓の持場をいいつけたり、帆方の者を指図したりして、舳と帆柱の間を駆け廻っていた。だがその忙しい中にも、時々、新吉が背なかにかぶっているつづらのほうへ眼配りを忘れていない。
「よい凪だの、風も頃合、海へ出たら定めし爽やかであろう」