후리가나로 읽는 일본 고전
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
小金井 喜美子의 鴎外の思い出(おうがいのおもいで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 127,675자 · 254화면
その兄が逝いてからの賀古氏は、どれだけお寂しかったでしょう。晩年に主人や私へよくお便を下さいましたのも、以前にはないことでした。『冬柏』所載の消息なども、そうしたものを書いて自ら慰藉していられたのではあるまいかと思いますと、お気の毒にもなって来ます。
昭和六年一月一日、朝から元気で病院の医員たちの年賀を受けられましたが、午後書斎へはいられて、突然発病されたらしく、誰も臨終には間に合わなかったそうです。「己は脳溢血で逝くのだ」と、いつもいっていられましたので、お望通りだったとはいえ、あまりにはかない終り方でした。兄が逝いてから八年、七十六歳だったのです。
お墓は駒込吉祥寺で、山門を入って右側です。本郷にいます頃は近いものですから、庭の花を持っては、よくお参りしましたが、疎開以来遠くはなりますし、だんだん私も老年になりますので、お彼岸くらいにしかまいられません。
古い手紙
兄の洋行されたのは明治十七年八月で、船はフランス船メンサレエ号というのです。ベルリンへ著かれたのは十月十一日でした。出立後家族の者は、ただ手紙の来るのばかりを待っていました。翌十八年の正月にカードを送られた時の私と弟との喜びは非常なものでした。