후리가나로 읽는 일본 고전
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
小金井 喜美子의 鴎外の思い出(おうがいのおもいで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 127,675자 · 254화면
その頃の大観音の高いお堂は焼け失せて、今は何か小さな物が建っているだけで、ここにも世の変遷が見られます。森の家も、いかめしかった門は影も形もありません。毎朝兄が出勤せられる時、馬丁が馬を引いて来るのを佇んで待っていられた軍服姿が思出されます。
駒ひくをまつ朝戸出の手すさびに
折りてぞ見つる梅の初花
明治四十年頃の歌です。その梅なども、もとよりありません。昔駒寄せのあった向側に机を並べて、来会者に記名させる人々が待っています。筆を持ちますと、知人の名が目に附いて、もう来ていられるな、と思います。
そこら一杯に人の並んでいられる傍を通って前の方へ出ますと、於菟さんが笑顔で立っていられます。今日の式まで、何かとさぞ御苦労だったでしょう。佐佐木信綱氏が見えます。私と同年位なのに、よく遠くまでお越しになったこと。あちこちに知ったお顔も見えますが、ただ目礼だけして置きます。席に落ちつきましたら、隣に石井柏亭氏、千ヶ崎悌六氏がいられるので、『冬柏』の歌会のあった頃を思出しました。前列から振返って目礼せられたのは額田医学博士御夫妻でした。兄が臨終の時お世話になった方です。