일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

小金井 喜美子의 鴎外の思い出(おうがいのおもいで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 127,675자 · 254화면

아오조라 문고

と上っていただいて、床の前に座蒲団を直して、「あんまり御無沙汰をしていましたから」と、呟くようにいいながら、違棚にあった葉巻の箱を下して前へ出しました。私の家では質素な生活はしていましたが、主人が嗜むので、葉巻だけはいつもあるのでした。

何といい出したものかと胸騒ぎがします。あんな様子を見られて、さぞかしおいやだろうと思うのに、私の跡を追うようにしてお出になったのはと思うと、うっかり口も開かれません。いつもお忙しいのですし、私の方からはよく伺うのですから、お出になるのはまあお正月位のものだったのです。お兄様はいつまでもだまっていらっしゃる。私も葉巻をお附けになるお手元をただじっと見ていましたら、お顔を上げて、「お前は近頃石本さんに会うかい」といわれました。

石本さんとおっしゃるのは、大臣石本新六氏の夫人です。お茶の水女学校の出身者の内では有力な方でした。

「あの方は会にはいつでもお出になりますから、私さえ出れば、お目にかかられますよ。」

「そうか」と、また暫く無言でしたが、「お前も知っている通り、おれは勤向きのことでは人に批難をされるようなことはしないがね。