후리가나로 읽는 일본 고전
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
小金井 喜美子의 鴎外の思い出(おうがいのおもいで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 127,675자 · 254화면
それでも亀井家のお墓所弘福寺が近くにあるので、まずそこへだけはと、お祖母様とお母様とに連れられて、お参りに行きました。
家を出て土手の方へ向って行きますと、左手は前に書いたお湯屋で、右手の広い空地に傘屋がありました。住いは奥まっていて、広場が傘の干場でした。そこはきっと大きな家を壊した跡なのでしょう。地面に杭が一面に立ててあって、蛇の目、奴、その他いろいろの傘が干し並べてありました。大きな字のあるのは商家からの頼みでしょう。小僧さんが二人、目くら縞の前掛を首からかけて、油だらけになって油引きをしていました。日が強く当るので、油の匂いがぷんぷんします。それだけにまた雨の日は、打って変って寂しいのでした。
少し行きますと、左側は松平という華族の邸でした。やはり黒板塀の門ですが、あまり大きくはありません。亀井家が四万三千石でしたから、それよりも石高が少かったのでしょう。でも御内福だという噂でした。松平という家は多いのですから、どこの大名なのか存じませんが、ここもお父様の病家でした。小さいお子さんを乳母が背負って、よく薬取りに来ました。そのお乳母さんが話好きで、お子さんもお父様に髯のあるのを怖がらず、お菓子があると、「これはバンコ(犬)に遣ろうか、森さんに上げようか」