일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

小栗 虫太郎의 黒死館殺人事件(こくしかんさつじんじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 296,741자 · 584화면

아오조라 문고

それから法水は、刈込垣の前に立って本館を眺めはじめた。長い矩形に作られている本館の中央は、半円形に突出していて、左右に二条の張出間があり、その部分の外壁だけは、薔薇色の小さな切石を膠泥で固め、九世紀風の粗朴な前羅馬様式をなしていた。勿論その部分は礼拝堂に違いなかった。けれども、張出間の窓には、薔薇形窓がアーチ形の格子の中に嵌っているのだし、中央の壁画にも、十二宮を描いた彩色硝子の円華窓のあるところを見ると、これ等様式の矛盾が、恐らく法水の興味を惹いたことと思われた。しかし、それ以外の部分は、玄武岩の切石積で、窓は高さ十尺もあろうという二段鎧扉になっていた。玄関は礼拝堂の左手にあって、もしその打戸環のついた大扉の際に私服さえ見なかったならば、恐らく法水の夢のような考証癖は、いつまでも醒めなかったに違いない。けれども、その間でも、検事が絶えず法水の神経をピリピリ感じていたと云うのは、鐘楼らしい中央の高塔から始めて、奇妙な形の屋窓や煙突が林立している辺りから、左右の塔櫓にかけて、急峻な屋根をひとわたり観察した後に、その視線を下げて、今度は壁面に向けた顔を何度となく顎を上下させ、そういう態度を数回にわたって繰り返したからであって、その様子がなんとなく、算数的に比較検討しているもののように思われたからだった。