후리가나로 읽는 일본 고전
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
小栗 虫太郎의 黒死館殺人事件(こくしかんさつじんじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 296,741자 · 584화면
ねえレヴェズさん、貴方は、クリヴォフ夫人を、あの虹の濛気によって狙撃したのでしたね」と法水は突如凄じい形相になって、狂ったような言葉を吐いた。その瞬間、レヴェズは化石したように硬くなってしまった。突然頭上に閃き落ちてきたものは、恐らくレヴェズにとって、それまで想像もつかぬほど意外なものであったに相違ない。眩惑、驚愕――勿論その一刹那に、レヴェズが知性のすべてを失ってしまったことは云うまでもないのである。ところが、そうして相手が自失した有様に、むしろ法水は、残忍な反応を感じたらしかった。彼は、手中の生餌を弄ぶような態度で、ゆったり口を開いた。
「事実あの虹は、皮肉な嘲笑的な怪物でしたよ。ところで貴方は、東ゴートの王テオドリッヒを……。あのラヴェンナ城塞の悲劇を御存じでしょうか」
「フム、最初射損じても、テオドリッヒには二の矢に等しい短剣があったのです。だがしかしだ、儂は、苦行者でも殉教者でもない。むしろそういう浄罪輪廻の思想は、儂にではなくファウスト博士に云ってもらいたいものだ」とレヴェズが声を慄わせ、満面に憎悪の色を漲らしたと云うのは、そのラヴェンナ城の悲劇に、クリヴォフ事件を髣髴とさせる場面があったからだ。