轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ああぎょくはいにはなうけて

ああ玉杯に花うけて

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1927(昭和2)年5月号~1928(昭和3)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,617 字 · 250 页

青空文庫

「さあ」

猛太は下くちびるをかんでじっと考えこんだ。

「かれらがいうには、阪井が工事の帳簿を焼こうとしたんだとね、こういうもんだから、まさか親子連れで火をつけに歩きまわるやつもなかろうじゃないかと私は嘲笑してやったんだ、それにしても疑われるのは損だからね、なにかくせものらしいものの姿でも見たのなら非常に有利なんだが」

「見た」と猛太は力なき声でいった。

「見た?」

「ああ見た」

「どんな風体の者だ」

「それは覚平によく似たやつだった」

巌は頭の脳天から氷の棒を打ち込まれたような気がして思わず叫んだ。

「ちがいますお父さん」

「だまっておれ」と猛太はどなって巌をハタとにらんだ、目は殺気をおびている。

「覚平か」と町長は身体をぐっとそらしたがすぐ両手をぴしゃりとうった。

「そうだ、それにちがいない。あいつはきみにうらみがあるから、きみに放火犯人の疑いをかけさせようと思って放火したにちがいない、例の工事問題が起こってる最中だから、きみが帳簿を焼くために火をつけたのだろうとは、ちょっとだれでも考えることだからな、いやあいつはじつにうまく考えたものだ」

「そうだ、ことによると立憲党のやつらが覚平を扇動したのかもしれんぜ」