轻松读懂日语经典作品
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ああぎょくはいにはなうけて
ああ玉杯に花うけて
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1927(昭和2)年5月号~1928(昭和3)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,617 字 · 250 页
昔武田信玄と上杉謙信はたがいに覇業を争うた、その結果として双方はたがいに研究しあい、武田流の軍学や上杉風の戦法などが日本に生まれた。もっともよき敵はもっともよき友である、他山の石は相砥礪して珠になるのだ。千三があるために光一が進み、光一があるために千三が進む。
戦場においては敵となりしのぎをけずって戦うものの光一と千三は家へ帰ると兄弟のごとく親しかった。
「今日は一本も打たせなかったね」
「このつぎにはかならず打つぞ」
二人はわらって話し合う。どんなに親しい間柄でも公の戦場では一歩もゆずらないのがふたりの約束であった。時として光一は家へ帰ってもものもいわずにふさぎこんでることがある、だが千三がたずねてくるとすぐ愉快な気持ちになるのであった。
あるとき光一はまじめな顔をしてこういった。
「青木君、ぼくの学校へ入学したまえよ」
「いまさらそんなことはできないから、一高で一緒になろう、もう二、三年経てばぼくの家も楽になるから」
「検定を受けるつもりか」
「ああ、そうとも」
「じゃ一高で一緒になろう、きみがショートでぼくが投手で小原さんが捕手だったら愉快だな」
ふたりは顔を見るたびにそれを語りあった。