轻松读懂日语经典作品
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ああぎょくはいにはなうけて
ああ玉杯に花うけて
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1927(昭和2)年5月号~1928(昭和3)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,617 字 · 250 页
読者諸君! 孝子は巌牆の下に立たずといにしえの聖人がいった、親のあるものは自重せねばならぬ、兄弟姉妹のあるもの、先輩のあるものは自重せねばならぬ、いやしい娯楽場へ足をふみ入れて生涯をあやまることは愚のきわみである。
さて文子はどうなったか、文子の兄光一はそのころ野球にいそがしかった、かれの学業はますます進み同時に野球の技術がすばらしいものになった。かれの身の丈は五尺四寸、腕は鉄のごとく黒く、隆々とした肉が肩に隆起し、胸は春の野のごとく広く伸びやかである。かれの母はいつもかれを見やって微笑した。
「私より首一つだけ大きくなった、この子はしようがないね、去年の着物がみんな間にあわなくなった」
こうこぼしながらも心中の喜びは抑えきれない。それと同時に文子も次第に美しくなった、が文子の顔に何やら一点の曇りがたなびきはじめた。
「おまえどうかしたのかえ」と母がきく。
「なんでもないわ」と文子はわらった。だが文子は決してなんでもなくはなかったのである。かの女は例の一件があってからその秘密を手塚ににぎられてしまった。もしかの女が家へ帰って母に打ちあけたなら、こんな苦しみはせずにすんだのである。