轻松读懂日语经典作品
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ああぎょくはいにはなうけて
ああ玉杯に花うけて
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1927(昭和2)年5月号~1928(昭和3)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,617 字 · 250 页
手塚は一旦光一に忠告されて改心したもののそれはほんのつかの間であった、かれはどうしても娯楽なしには生きていられなかった、活動写真で低級な演劇趣味をふきこまれたかれは自分で芝居をして見たくなった。かれは活動を見ては家へ帰ってそのまねをした、もしかれが恥を知る学生であったなら、本当の正しき魂がある少年であるなら、国定忠治だの鼠小僧だの、ばくち打ちやどろぼうのまねを恥ずべきはずだが、かれにはそんな良心はなかった、かれはただ人まねがしたいのである、実際かれはそれがじょうずであった、かれはしゃものような声で弁士の似声を使ったり、また箒を提げて剣劇のまねをするので女中達は喜んで喝采した。
「坊っちゃまはお上手でいらっしゃること」
「男ぶりがいいから役者におなんなさるといい」
この声々を聞くと手塚はすこぶる得意であった、それと同時に母は鼻の下を長くして喜んだ、かれの母はすべて芸事が好きで一月に三度は東京へ芝居見物にゆくのである。
父は患者をことわっておおかみのような声で謡をうたう、母は三味線を弾いてチントンシャンとおどる、そうして手塚は箒をふるって、やあやあ者共と目玉をむき出す。