轻松读懂日语经典作品
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ああぎょくはいにはなうけて
ああ玉杯に花うけて
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1927(昭和2)年5月号~1928(昭和3)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,617 字 · 250 页
光一はそのまま二階を降りるやいなや、ぞうりをつっかけたまま家を出た、かれはまっすぐに千三の家へ走った。
「まあ坊ちゃん、せっかくおいでくだすったのに、千三は留守ですよ」と千三の母がいった。
「商売から帰らないのですか」
「今日はね、お昼前だけでお昼すぎから休みです、ボールへいったのじゃありますまいか」
「さようなら」
光一はすぐ引きかえして黙々塾へでかけた。塾にはだれもいなかった。光一はひっかえそうとすると窓から瘠せたひげ面がぬっと現われた。
「やあ柳君、ちょっとはいれ」
「ぼくは急ぎますから失礼します」
「なに? 急ぐ? 男子たるものが事を急ぐという法があるか、急ぐという文字は天下国家の大事な場合にのみ用うべしだ」
「ですが先生、ぼくは……」
「敵に声をかけられておめおめ逃げるという卑怯者は浦中にあるかも知らんが、黙々塾にはひとりもないぞ」
「じゃ簡単にご用向きをうかがいましょう」と光一は中腹になっていった。
「よしッ、じゃきみにきくがきみは水を飲むか」
「飲みます」
「一日何升の水を飲むか」
「そんなに飲みません」
「いかん、人間は毎日二升の水を飲むべしだ、顔回は一瓢の飲といったが、あれは三升入りのふくべだ、聖人は」