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ああぎょくはいにはなうけて
ああ玉杯に花うけて
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1927(昭和2)年5月号~1928(昭和3)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,617 字 · 250 页
チビ公は当惑した。
「豆をひくにしても煮るにしても、おまえの腕ではとてもできないし、私の考えでは当分休むよりほかにしかたがないが、そうすると」
お美代はしみじみといった。
「休みません、伯父さんのできることならぼくがやってみせます、ぼくのために助役をなぐった伯父さんに対してもぼくはるす中りっぱにやってみせます」
「でもさしいれ物はね」
「お母さん、ぼくの考えではね、お母さんもぼくと一緒に豆腐を作って、それから伯父さんの回り場所を売りにでてください、二人でやればだいじょうぶです」
「そうだ」とお美代はうれしそうにいった。「そうだよ千三、私は女だからなにもできないと思っていたが、今夜から男になればいいのだ、伯父さんと同じ人になればいいのだ、そうしようね」
「お母さんに荷をかつがせて豆腐を売らせたくはないんだけれども……お母さん、ぼくはまだ小さいからしかたがありません、大きくなったらきっとこのうめあわせをします」
チビ公の興奮した目はるりのごとくすみわたって瞳は敢為の勇気に燃えた。
うとうとと眠ったかと思うともう東が白みかけたので母に起こされた、チビ公はいきおいよく起きて仕事にとりかかった、お美代もともに火をたきつけた、このいきおいにおされてお仙はぶつぶついいながらもやはり働きだした。