轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あめんちあ

あめんちあ

富ノ沢 麟太郎

「改造」1911(明治44)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 41,594 字 · 83 页

青空文庫

というような法外もないことを妄想していた。

「物騒な人!」

彼はこの言葉を忘れはしない。

「物騒な人だ!」

下宿の女主人は、こう言って、来る人、会う人ごとに彼のことを饒舌った。

―――――

おれは物騒な人と言われるだけのものかも知れない。

少なくともおれの感情……おれの最も麗わしい感情を、おれがおれの胸の奥底へおし隠してこのかた、おれはその感情を汲み出そう汲み出そうと藻掻きつづけた。

……と、おれは思うのだが、ともかくおれは大変感じやすかった。

……そののち、おれは疑うことを覚えた。

憎むことを覚えた。

おれは因循姑息に犯された。

この虫こそおれの寄生虫であった。

そしておれを引込思案の壺の中へ封じこめてしまった。

おれはその壺の中で侮辱を感じた。

そしておれはおれの敵を見た。

敵を感じた。

猜疑心を養った。

その壺のなかで。

憎悪を育てた。

そしておれは自分を愛しそこねた。

おれは何ものからも見棄てられたではないか、親友の青沼さえ、おれの身のほどを誤って、揶揄ったではないか。

博士は意地きたなく侮辱した。

おれは自分の躯を愛しそこねたために、自分で我が身を殺すのかも知れない。

それにしても常に真実を考え、真実を思い……おれは常に真実を話した。