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あるひのせんせいとこども
ある日の先生と子供
小川 未明
「童話」1924(大正13)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,639 字 · 8 页
ですから、寒いことも、水を飲むことも平気です。寒い国に生まれた小鳥は、もう子供の時分から、寒さに慣れています。あなたの心配なさるように、寒さに驚きはしません。」といわれました。
吉雄は、なるほどと心に、うなずきました。
また、先生は、
「鳥や、獣は、火でものを焼いたり、水を沸かしたりすることは、知っていません。火でものを煮たり、水を沸かしたりするものは、人間ばかりでありますよ。」といわれました。
吉雄は、なにもかもよくわかったような気がしました。そして、先生たちのいなさる室から出ました。けれど、やはり頭の中に、心配がありました。
「やまがらが、いま時分湯を飲んで、舌を焼いてしまわないか。」と、彼は思いました。
もし、舌を焼いてしまったら、きっといまごろは、やまがらは、苦しんで、死んでしまったかもしれない。こう思うと、彼は、気が気でなかったのであります。
吉雄は不安のうちに、修身の時間を、一時間過ごしました。そして、休み時間になったときに、彼は、いつも、はっきりと先生に、問われたことを答える、小田に向かって、
「やまがらに、僕は、お湯をやったんだよ。」と、吉雄はいいました。