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おかまのうた
おかまの唄
小川 未明
「良い子の友」1945(昭和20)年10月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,094 字 · 5 页
小鳥たちがいなくなったと思うと、さあっと、風が林をかける音がして、つづいて、パラパラと、なにかの木の実が落ちる小さな音がしました。
「どんぐりかしらん?」
ひとりごとをいって、少年は頭をかしげていました。田舎へきてから、友だちが少ないのでさびしかった。そんなとき、東京がこいしくなるのでした。けれど、いつもお祖父さんが、
「雪が降ると、スキーはできるし、また、きじの子やうさぎを打ってやるから、来年の春まで、こっちにいるがいい。」と、おっしゃると、その気になるのでした。お祖母さんまで、
「お正月がくれば、おまえのすきなおもちをついてやるし、甘酒もこしらえてやる。」と、おっしゃるのでした。
なんで少年は、うれしくないことがありましょう。そればかりではなく、せっかくしたしくなった村の学校のお友だちとも、わかれたくなかったのです。それであるから、
「僕、すっかりなれてしまった。」と、元気よく答えるのでした。
「ほんとうか。それなら、いっそこっちの子になるか。」と、お祖父さんは、にこにこしながらいわれました。
「いいけど、さびしいんだもの。」
これは、いつわらぬ少年の心のうちでありました。