轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おくみさんとそのしゅうい

お久美さんと其の周囲

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第一巻」河出書房、1951(昭和26)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,369 字 · 149 页

青空文庫

朝から晩まで母親と父親と小さいお関までかかって、ギーッパタン、ギーッパタンやって居たところで入って来るもの等は実に軽少なので、片手間に畑を作ったりして居たけれど、段々娘になって来る二人を満足な装もさせられないので、十七の年お関は仲間の者の世話で程近いM町の生糸屋へ奉公に遣らせられた。

M町はY町と山一重越した丈の事であったけれ共、まるで世の中の違う程すべての事が都風で、塵をかぶって髪の毛も何も、モチャモチャにして居たお関は、行って七日と立たない内にすっかりM町の生糸屋のお仲どんになりすまして、油のたっぷり付いた大形な銀杏返しに赤い玉のつながった根がけなどをかけて「おはしょり」の下から前掛けを掛ける事まで覚えて仕舞った。

表面のはでに賑かな其処の暮しはお関に如何にも居心地がよくて、あばれでも手荒らでも何処か野放しの罪の無かったのがすっかり擦れて――自分の方からぶつかって擦れ切って仕舞った。

いつとはなしに釣銭の上前をはねる事も覚え、故意と主人に聞える様な所で厭味を云う事も平気になって来ると、丁度すべてに変化の来る年頃にあったお関は種々の生理上の動揺と共に段々川を流されて行く砂の様に気付かない内に性質を変えられて来て居た。