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かいじんにじゅうめんそう

かいじん二十めんそう

江戸川 乱歩

「たのしい二年生」講談社、1959(昭和34)年10月~1960(昭和35)年3月

N5 · 入门 · 新字新假名 · 9,031 字 · 19 页

青空文庫

3

こんなでんわをかけるのは、あいつにきまっているじゃありませんか」

「えっ、あいつだって。それじゃ、きみは二十めんそうだな」

「そうだよ、おきのどくさま。きみのたいせつにしているえは、みんなちょうだいしたよ」

「えっ、ちょうだいしたって。わたしのへやのえは、一つもなくなっていないよ。ははは」

「ははは、きみの目もあてにならないね。あれは、みんなにせものだよ。

小林もにせもの。少年だんいんやけいじもにせもの。みんな、おれの子分だったのだ。

夜中に、本もののえをはずして、にせものとはめかえて、本もののほうをもち出してしまったのさ」

「えっ、あれがみんなにせものだって」

石村さんは、びっくりして、へやへとんでいって、ひとつびとつよくしらべました。

「あっ、やっぱりそうだ。本ものとそっくりにかいてあるが、みんなにせものだ」

石村さんは、まっさおになっていいました。

それにしても、小林くんまでにせものとは、いったいどんなやり方をしたのでしょうね。

3

二十めんそうは、石村さんのえを、ぜんぶにせものととりかえて、ぬすんでいってしまいました。

そこにいた六人のけいじと、小林くんと少年たんていだんいん六人がまもっていたのですが、それが、みんな、二十めんそうの子分のへんそうしたにせものだったのです。