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かいじんにじゅうめんそう

かいじん二十めんそう

江戸川 乱歩

「たのしい二年生」講談社、1959(昭和34)年10月~1960(昭和35)年3月

N5 · 入门 · 新字新假名 · 9,031 字 · 19 页

青空文庫

手足をしばられた小林くんは、ふたりのわるものにだきかかえられて、おばけやしきのおくの方へつれこまれました。

竹やぶの中のほそい道をすすんでいきました。

すると、とつぜん、すごいかいぶつがあらわれました。

大きさは、二メートルもあり、くびが、じめんからにゅうと出ているのです。

それは、ゴリラのようでもあり、ライオンのようでもあり、人間のわるもののようでもありました。

それは、大きな、おそろしいかおでした。

ふたりのわるものは、ぼうぼうと、草のはえたじめんに、小林くんをほうり出しました。

すると、竹やぶの中から、おうごんかめんをつけた二十めんそうが、ぬうっとあらわれました。

「わっはははは……、小林か、しばらくだったなあ。きみをこうしておいて、石村のえを、ぜんぶちょうだいすることにしたよ」

小林くんは、くやしいけれども、しばられているので、なにもできません。

「今ごろは、きみとそっくりな少年と、少年たんていだんいんが六人、けいじが六人、石村の家をまもっているわけだ。

それがみんなにせもので、おれの子分というわけだ。

わっはははは。

二十めんそうのちえは、こんなもんだ。