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こころ

こころ

夏目 漱石

一个年轻人在镰仓偶遇了一位神秘的先生,两人渐渐成为好友,但先生总藏着一段不愿提起的过往。读完你会忍不住想:他到底背负着什么秘密?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 160,915 字 · 322 页

青空文庫

二人はまただらだら坂の中途にある家の前へ来た。はいる時には誰もいる気色の見えなかった縁に、お上さんが、十五、六の娘を相手に、糸巻へ糸を巻きつけていた。二人は大きな金魚鉢の横から、「どうもお邪魔をしました」と挨拶した。お上さんは「いいえお構い申しも致しませんで」と礼を返した後、先刻小供にやった白銅の礼を述べた。

門口を出て二、三町来た時、私はついに先生に向かって口を切った。

「さきほど先生のいわれた、人間は誰でもいざという間際に悪人になるんだという意味ですね。あれはどういう意味ですか」

「意味といって、深い意味もありません。――つまり事実なんですよ。理屈じゃないんだ」

「事実で差支えありませんが、私の伺いたいのは、いざという間際という意味なんです。一体どんな場合を指すのですか」

先生は笑い出した。あたかも時機の過ぎた今、もう熱心に説明する張合いがないといった風に。

「金さ君。金を見ると、どんな君子でもすぐ悪人になるのさ」

私には先生の返事があまりに平凡過ぎて詰らなかった。先生が調子に乗らないごとく、私も拍子抜けの気味であった。私は澄ましてさっさと歩き出した。