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さかだちこぞうさん
さか立ち小僧さん
小川 未明
「少年朝日 別冊冬の読み物集」1949(昭和24)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,958 字 · 14 页
空き地へ集まった、子どもの群れには、昼間道づれとなった武ちゃんや健ちゃんのほかに、きみ子さん、みっちゃんなどの、同じ年ごろの学友たちが加わっていました。
「よく星が見えるかい。こんど、ぼくにかしてね。」
「そのつぎは、わたしにね。」
みんなが、先を争って、双眼鏡をのぞこうとしているのでした。
「こんどは、小僧さんの番だよ。」と、健ちゃんが、大きな声で秀吉を呼びました。
秀吉は、双眼鏡というものを、はじめて、のぞいたのでした。しかし月の世界の秘密は肉眼で見る以上に、わからなかったのでした。いくらか、はっきりするぐらいなものです。
「どう、よく見えるだろう。」と、武ちゃんはさも、精巧なレンズをほこらしげに、いうのでした。秀吉はこれに対して、なんともいわず、見れば見るほど宇宙が広いので、ただため息をもらしながら、双眼鏡を武ちゃんにかえして、
「故郷では、いまごろ空をあおぐと、手がとどきそうに、空が近く、星が大きく、きらきら光って見えるのだから。」といいました。
「まあ、そんなによく見えるの。」と、みつ子さんが、おどろきました。すると、そばに立っていた健ちゃんまでが、