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さかだちこぞうさん
さか立ち小僧さん
小川 未明
「少年朝日 別冊冬の読み物集」1949(昭和24)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,958 字 · 14 页
「ああ、きれいだな。あの高いえんとつの煙が、雲の中へ流れこんでいる。それが、おししの毛のように金色に光って見える。君たちにはそう見えない?」と、さか立ちしながら、秀吉は、いいました。
「金色になんか、見えないよ。」
「正ちゃんも健ちゃんも、さか立ちしてごらんよ。」
こんなに長い間、さか立ちをしていたら、さぞ頭が重くなって、目がまわるだろうと、かえって、はたで見ているものが、心配するのでした。
「もう小僧さん、いいからおやめよ。そんなに長くさか立ちしていて、なんともないの。」と、さっき、さか立ちをすすめた子どもが、やっきになっていいました。
やっと、秀吉は立ちなおると、両手についた土をはらいおとして、
「ああ、なんともないさ。」と、笑いながら、答えました。
「おどろいたな、ぼくたちには、できっこない。それに、こんなことをすれば、血が下がって体に大どくだろう。」と、正ちゃんがいいました。
「は、は、は、なんでも、ひとのできないことを、するのでなくちゃ、だめなのさ。」と、秀吉は、自信ありげに、いいました。
「それじゃ、小僧さんは、子どものときから、ひとのできない、さか立ちをしようと勉強したんだね。