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さかだちこぞうさん
さか立ち小僧さん
小川 未明
「少年朝日 別冊冬の読み物集」1949(昭和24)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,958 字 · 14 页
そして、もし、しそこないをすると、子どもをしかるのだ。それらの子どもは、なんでも親のない子どもや、貧乏の家から子どもを買い取って、こんなふうに芸をしこみ、銭をもらって歩くのだが、子どものもらいが少ないと、子どもをいじめたり、また、めしをろくろく食べさせないと聞いていた。それで、もし、おれがおししに売られたら、しかられなくてもすむように、人の見ていないところで、ひまがあればさか立ちのけいこをしたのさ。それでこんなにうまくなったんだ。はじめのうちは、からだの血が頭へ下がって、いくどめまいがして、たおれたかしれないが、がまんをして、しまいにはなんでもなくなったのさ。いまとなれば、だれが、おししなんかになるものか。もう、自分の力で、生きられる自信がついたからな。
こんど、乾物屋を出るときだって、ちっともおれが悪かったと思っていない。すこしばかりのいわしのにぼしを犬にやったとて、そんなに悪いことでないだろう。なぜって、おれの給金をこれといって、きめてくれないのだから、それぐらいのことをしたって、なんでもないはずなのだ。」と、秀吉の話はだんだん、熱をおびてきました。