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そのさくはひつようか

その柵は必要か

宮本 百合子

「新日本文学」1949(昭和24)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,783 字 · 30 页

青空文庫

そして「これを納得するか否かが第三回大会の眼目の一つである」ということを力説したかったとのべている。これは、当日徳永直の報告および提案が時間にせかれて充分説明するゆとりがなかったことを意味している。

大会のその日、徳永直はこまかく準備して来ていて、彼の「勤労者文学」を規定する社会的基盤の図表を示した。わたしの席は後でそれをみることができなかった。が説明によって理解したところでは、民主革命の推進力である労働者階級を主軸としてその同盟者としての農民、勤め人、中小商工業者、近ごろはアルバイトの必要から勤労生活にとけこみつつある学生、これらを概括して「勤労者文学」の基盤とするといわれたようだった。きいていて、わたしは疑問にうたれた。人民的な民主主義革命の見通しは労働者階級の勝利とそれによって達成される社会主義への展望を主軸としている。その意味で労働者階級の文学が民主主義文学の主軸であることは明らかである。農民階級が土地革命についての理解(土地を農民へ)の範囲においてにしろ、もっとも近い同盟者であることも明らかである。主にこの二つのものにプロレタリア文学運動時代の社会的基盤の規定は、おかれた。