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そのさくはひつようか

その柵は必要か

宮本 百合子

「新日本文学」1949(昭和24)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,783 字 · 30 页

青空文庫

「労働者階級の意識は、たとえそれが如何なる階級に関係したことであろうとも、恣意と圧制、暴力と濫用が行われたときは、いついかなる場合にも黙過しないようにならされているのでなければ、真に政治的な意識ではない」(レーニン・何を為すべきか)ということは、民主主義とその文学達成の基本となる意識であり感情であると思う。民主主義の精神と行動は単に「労働者の方へ行け」と云って満足することではなく、すべての階級のなかへはいってゆき、階級間のあらゆる相互的な関係のなかから、民主革命のモメントをとらえる能力でなければならないだろう。民主主義文学運動についての理解も全く同様だと思う。

プロレタリア文学運動時代からの発展として、文学運動全体としての性格とその中の主導的要因としての労働者階級の文学が、はっきりさせられる時が来ている。

こう考えて来ると、もういつの間にかこれまでの形での「勤労者文学」の柵はふみこえられてしまっている。でも、それでいいのではないだろうか。

現在見えているいろいろの問題の性質と大会報告の印象から、わたしは、飾りけなくまた他意のない提案として、「勤労者文学」