轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

とんびとあぶらげ

とんびと油揚

寺田 寅彦

「工業大学蔵前新聞」1934(昭和9)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,935 字 · 6 页

青空文庫

とんびに油揚をさらわれるということが実際にあるかどうか確証を知らないが、しかしこの鳥が高空から地上のねずみの死骸などを発見してまっしぐらに飛びおりるというのは事実らしい。

とんびの滑翔する高さは通例どのくらいであるか知らないが、目測した視角と、鳥のおおよその身長から判断して百メートル二百メートルの程度ではないかと思われる。そんな高さからでもこの鳥の目は地上のねずみをねずみとして判別するのだという在来の説はどうもはなはだ疑わしく思われる。かりにねずみの身長を十五センチメートルとし、それを百五十メートルの距離から見るとんびの目の焦点距離を、少し大きく見積もって五ミリメートルとすると、網膜に映じたねずみの映像の長さは五ミクロンとなる。それが死んだねずみであるか石塊であるかを弁別する事には少なくもその長さの十分一すなわち〇・五ミクロン程度の尺度で測られるような形態の異同を判断することが必要であると思われる。しかるに〇・五ミクロンはもはや黄色光波の波長と同程度で、網膜の細胞構造の微細度いかんを問わずともはなはだ困難であることが推定される。

視覚によらないとすると嗅覚が問題になるのであるが、従来の研究では鳥の嗅覚ははなはだ鈍いものとされている。