轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

とんまのろくべえ

とんまの六兵衛

下村 千秋

「赤い鳥」赤い鳥社、1925(大正14)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,821 字 · 8 页

青空文庫

「六兵衛とはその方か。御苦労、御苦労。」と殿様は声をかけました。

「さて、余の家に伝わる名刀のありかについて、そのうらないをその方に申しつける。正しく名刀のありかを判じ当てるならば、ぞんぶんの褒美を取らすぞ。」

六兵衛はこれをきくと、頭をあげてピョッコリとあいさつをして、

「はい、はい、ありがとうございます。」と答え、それから勿体ぶって考えこみました。ずらりとならんでいる家来たちは、せきばらい一つせず、六兵衛の振舞を見ています。すると、やがて六兵衛はひざをぽんと叩いて、

「殿様、わかりました。お家の名刀はたしかに、お城のうらのいちばん大きな松の根元にうずめてございます。」と申し上げました。

そこで、家来たちがさっそくその松の根元を掘って見ますと、果たして宝物の名刀が出て来ました。

ところが殿様は、大喜びと思いのほか、ことのほかの御立腹でありました。

「さてはその方、あらかじめ自分で盗み、松の根元にかくし置いたものにちがいあるまい。不届きもの奴!」

こう言うや、殿様はそばの刀を取って引き抜こうとしました。とんまの六兵衛も、これには驚き、がたがたふるえ出しました。